香水収集が大好きな私
香水に費やした金額は恐ろしくて計算もしたくありませんが、軽く100万円は超えていることでしょう……
また詳しく書こうと思いますが、白桃の香りの香水を求めて三千里
もはやネットに出回る『白桃』の名のつく香水は収集し尽くした感があるほど……
終わりの見えない白桃香水ジプシーに心が折れかけています
どなたか最高の白桃香水をご存知でしたらご教示ください
グルマン香水の最高峰はこれ
んで、本題
白桃香水は春夏秋冬、飽きるほど探しまくっているのですが、寒くなると鼻が求めるのはあま〜いグルマン香水!
そろそろ暖かくなるのでグルマン香水は使い収めかな、なんて思っていましたが、最近寒い日が続くので毛布にぬくぬくと包まりながらグルマン香水を堪能しています
食の『グルメ』を由来とするジャンル
一般には甘くて美味しそうなバニラ系などの香水を指します
買っては嗅いで、「私が求めてるのはコレじゃない」とガッカリする日々……
そんな私が「グルマン香水はこれだけでいい!」と太鼓判を押すのがこれ
クリスチャンディオール ヒプノティックプワゾン
この赤いリンゴのような容器と、それを閉じ込める漆黒の蓋
まるで毒林檎のようだと思いませんか!?
毒林檎の蓋を開ければ、ブワリと広がるまったりと重く甘い重厚感のある香り
バニラ、なんて可愛いものじゃない
ヴァニラ、です
イメージカラーは煮詰めたカラメルのような深いブラウン
最初にこの香りを嗅いだ時、「うわぁ、失敗だ」と思ったんです
だってその時の私が求めていたのは、今にもヨダレが出そうな美味しそうなバニラの香りだったから
そんな私が初めて瓶から直接一嗅ぎした感想は、「なんか苦い」
私の鼻はウッディを強く感じやすいので、このツンとした薬品のようにも感じられる苦味を拾ってしまったんですね
でも今までの香水に感じてた、香水独特のえぐみとか、(私が苦手でしょうがない)ブランド特有のマダム臭は感じなかったので、多分ファーストインプレッションはまずまずだったのだと思います
その証拠に、「失敗したな、全然美味しそうじゃない」と思った直後、「でもなんか惹かれる」と太ももにワンプッシュしていたのですから
ワンプッシュした後はもう、このヒプノの魔力に落ちていくだけでした
心地の良い、こっくりとしたヴァニラの香り
寝る前につけたので、布団の中で温められた体の熱によって、このヴァニラが上品なチョコレートのような香りに蕩けていくんです
この香水、シンクロノートといって、気温や肌質、体温などその日によって香りが変わるんです
だから、私がオチた上品なヴァニラとチョコレートの香りがいつでも楽しめるわけじゃない
なんなら、つけた瞬間から何故か粘土のような香りになって「ウエッ……」と思う日がないわけじゃないです
でも素敵に香った日には、もう自分の体をクンクン嗅ぎ続けてる変な女になります
だって最高なんだもん
ヒプノ小噺
ここまでヒプノにハマる前、買い物中にヒプノの香りを鼻が拾ったことがあったんです
場所はといえば、驚安の殿堂ドンキ・ホーテ
カートを押してるお姉さんから、すれ違いざまにブワリと香ったヒプノの威力がすごくて、思わず振り返ったんです
そしたらそのお姉さんの彼氏さんが、まあお姉さんにベタベタと後ろから抱きつきながらカートを押しているわけですわ
その時「ああ、あの彼氏さん、ヒプノの魔力にやられてるな」と思ったんですよ
多分、男の人はこの香りに弱いんじゃないかな
もちろん、分かりやすいシトラスの香りは可愛らしいし、ソープの香りなんてピュアで、今も昔もモテ香水なんて持て囃されてます
でも、多分、たった一人の意中の男性をオトそうとした時、最大の効力を発揮するのはヒプノティックプワゾンだと思う
薄く薄く、他の誰にも分からないくらい薄くつけて、獲物が射程圏内に入った瞬間、ほんのり香る上品なヴァニラ
この香水は、相手の心を掴む、なんてもんじゃない
ヒプノティックプワゾン、それは相手の心を絡め取って離そうとしない、狡猾な蛇のような、権謀術数に長けた女郎蜘蛛のような、そんな仄暗い香りです
なーんて言ってみたりして
でも、私がこのヒプノティックプワゾンと出会ってグルマン香水収集をやめたのは本当のこと
これ以上のグルマン香水には出会えないと感じたし、ヒプノティックプワゾンがあればそれでいいと思ってしまったのも本当
……白桃香水もこんな風に思えるものに出会えたらいいんだけどなー!!!